バイオリソースの高付加価値化と利活用促進を目的として、バイオリソースに関連する情報の発信および、統合化、標準化に取り組みます。
また、健康、食料、環境・資源等の重要な研究領域でのバイオリソース利用拡大に向けた高度なデータ検索アプリケーションの開発を行います。
バイオリソースに関係するライフサイエンス情報の統合
データ共有の”FAIR“原則に則り、World Wide Web コンソーシアム(W3C)が策定したWebにおけるデータ統合の世界標準 Resource Description Framework (RDF)を用いて、マウス、植物、細胞、遺伝子、微生物データの統合化、およびこれらのデータを対象とした横断検システムの開発を行っています。各開発室で運用されるカタログデータを収集し、データ変換パイプラインを通じて、常に最新のバイオリソースのRDFデータを作成して公開します。
理研オープンサイエンスプラットフォーム(OLSP)および情報統合本部、ナショナルバイオリソースプロジェクト(NBRP)、ライフサイエンス統合データベースセンター(DBCLS)、バイオサイエンスデータベースセンター(NBDC)をはじめ、情報統合を推進する組織やプロジェクトと連携し、情報の標準化と統合を進めていきます。
関連記事:世界最大級のバイオリソースと情報でバイオ研究の水先案内人となる(OLSPウェブサイト)
理研BRCウェブサイトでのリソース横断検索(トップページ検索窓)
マウス系統検索(実験動物開発室)
ゲノムバリエーションの情報統合
モデル生物の参照ゲノム配列やゲノム多型情報は、バイオリソースを利用して研究活動を行うユーザーに必要不可欠なものになっています。実験用マウスの付加価値向上と利活用促進のために、マウスゲノム多型データベース「MoG+(モグ プラス)」を公開しています。MoG+には、日本産マウス系統を始め、実験動物マウスの成立に寄与した複数亜種に由来するマウス系統のゲノム多型情報が搭載されており、High-throughput sequencingによる各種の解析にも利用可能です。また、疾患研究に有用なヒト疾患関連情報や、各種バイオリソースとの連携を順次進めていきます。
MoG+に搭載したマウスのゲノム多型情報の整備は、国立遺伝学研究所比較ゲノム解析研究室、先端ゲノミクス推進センター、ならびに情報・システム研究機構データサイエンス共同利用基盤施設ゲノムデータ解析支援センターと共同で実施しました。なおMoG+は、2019年度まで国立遺伝学研究所系統情報研究室で運用されていたNIG_MoG2を理研BRCに移管、刷新して構築されました。